文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

安倍談話って素晴らしいねえー(笑)。

安倍の唯一の才能は、他人の意見を鵜呑みにして、知ったかぶりをした挙句、威勢よくその意見を自分の意見のごとくぶち上げる才能である、と僕は思っている。そしてそれにもう一つ付け加えるとすれば、言うまでもなく、都合が悪くなるとあっさりと前言を翻して、前言とはまったく正反対の正論を、これまた自分で考え出した意見のごとく、恥も外聞もなく堂々とぶち上げることが出来るという特殊なカメレオン的才能であろう。これも、ある意味では、持って生まれた恐るべき才能とでも言うしかないだろう。だからこそ、安倍の周りにはブレーン気取りの馬鹿どもがまとわりついてくるのである。むろん、安倍を腹話術の人形か、ゼンマイ仕掛けのロボットだと思っているからだろう。おそらく桜井よし子某をはじめとして、中西某、伊藤某、山羊某、岡崎某、屋山某、ヤンキー某…等など、自称、他称の「安倍ブレーン」の皆さんたちは、「安倍って、俺のレクチャーどおりに喋るし、動くぜ…」てなもんで、今や自分が総理総裁になった気分だろう。さて、そのゼンマイ仕掛けのロボット政治家・安倍だが、つい先日までは、「従軍慰安婦なんていない。」「強制連行はなかった。」「河野談話を見直す。」なんて、他人のセリフを、我がセリフのごとく、勇ましくぶち上げていたわけだが、その同じ人が、口も(舌の根)渇かぬうちに、アメリカの逆鱗に触れると、途端に思想的に360度も回転して、きりきり舞いした挙句、なんと今度は、一転して、「従軍慰安婦のご苦労を理解し、みなさんに深く謝罪します。」「一貫して河野談話を支持しています。」「強制連行を認めます。」だもんね。お見事と言うか、恥晒しと言うか、なんともはや。正確に言うと、安倍は、こう言ったらしい、≪慰安婦の方々に人間として心から同情する。そういう状況に置かれたことに、日本の首相として大変申し訳なく思う。(軍による狭義の強制性はないとした過去の発言は)私が初めて述べたのでなく、今までの政府見解だ。ここで事実関係を述べることにあまり意味がない。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況に、我々は責任がある。非常に苦しい思いをしたことに責任を感じている。河野洋平官房長官談話を私の内閣は継承している。(毎日新聞4・21)≫と。何はともあれ、「腰砕け」と「土下座」が得意技というか売り物というか持ちネタというか、いかにも安倍らしい発言・談話の豹変ぶりである。おそらく、河野某もびっくりだろう。しかし、まあ、日本の「保守」なんてこんなもんだろう。実は、昨日、安倍は、訪米を前にして、ニューズウィークとウォールストリートジャーナルの記者を相手に、従軍慰安婦問題については、「完落ち」というか「全面謝罪」という記者会見を行ったらしい。僕は、安倍が、訪米を前に、従軍慰安婦問題で「完落ち」しようと「全面謝罪」しようと、はたまた思想的に右から左へ「逆噴射的転向」(笑)をしようと、何の興味も関心もない。安倍ってその程度の人物であって、そんなことは、今更言うまでもなく、総理就任以前から、分かっていたことだからだ。今更、騒ぐ必要も驚く必要もない。ふむふむ。そうか…、そうか…、よくやるね…(笑)、馬鹿は死んでも直らない…って、やはり真理だなあ、ってなもんだろう。僕が、かねがね言っているように、安倍に「保守の再生」など期待したネット右翼というか保守論壇の馬鹿学者どもがアフォなのである。「右を切り、左を切り、そして中道を行く…」のが政治だろう(笑)。どこかで聞いたようなセリフだな。三島由紀夫の『わが友ヒットラー』だったかな。安倍って、やっぱ、ある意味、その馬鹿っぷりがすごいねー。ヒットラー並みの政界遊泳術の持ち主だね。そういえば、安倍の黒子役は、たしか「ゲッペルス・施工」だったよね。道理で…(笑)。いずれにしろ、これで、安倍の人気回復、支持率アップは間違いないね。パチパチ…。よくやったよ、安倍ちゃん。期待通りの実行力。アメリカではもっと過激に謝罪して、どんどん売国に励んでくれよ…(笑)。これなら、参院選勝利は間違いないだろう。いやいや、これなら、小泉政権以上の長期政権も夢ではないだろう…(笑)。

時事通信
2007/04/21-14:13 安倍首相、慰安婦問題で「責任」明言=米メディアに、批判沈静化狙う


 安倍晋三首相は26日からの初訪米を控え、米ニューズウィーク誌とウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューに応じた。首相は従軍慰安婦問題について「当時の慰安婦の方々に心から同情するし、日本の首相として大変申し訳ない」と改めて謝罪。「歴史に常に謙虚でなければならない。慰安婦として存在しなければならなかった状況について、われわれは責任があると考えている」と述べ、軍の関与を含め日本側に責任があるとの認識を表明した。
 首相はこれまで、慰安婦問題を謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話を政権として継承する立場を繰り返し強調。今年3月には元慰安婦へのおわびも表明したが、日本の「責任」を明言したのは初めて。人権問題に敏感な米国で「狭義の強制性」を否定した首相らの言動が反発を招いたことから、訪米を前に沈静化を図る狙いがある。

■で、その記者会見の中身を以下に引用しておこう。ところで、一部では、この安倍談話に関連して、日本語原文と英文翻訳文との間では、「強制性」という言葉の「ある、なし」の違いが問題になっているようだが、僕は、それは翻訳の問題などではなく、やはり政治家の資質と思想性の問題だろうと思う。安倍のような軽薄な人間が、政界だけでなく、保守論壇や保守ジャーナリズムに蔓延しているということが問題なのだ。「つくる会騒動」をめぐる「西尾幹二問題」の時にそれは明らかになったはずである。むろん、安倍談話の問題は、翻訳や言葉の使用の問題で隠蔽できるような問題ではない。いずれにしろ、安倍や保守論壇の言論が、いずれこういう結末を迎えるだろう事は、わかりきっていたのだ。僕は、これまで、安倍に過大な期待をし、数々の失政にもかかわらず、執拗に擁護し、支援し続けてきた保守論壇とその構成メンバーたちにこそ責任はあると思う。僕は、安倍や安倍ブレーンが取り組む憲法改正論議にも教育改革論議にも反対である。権力べったりで、利権の落穂ひろいに熱心な保守思想家になんの関心もない。保守論壇から、権力べったりの似非保守論客を、全員追放せよ!!!!!!!



 《0417午後 安倍首相インタビュー


■ニューズウイーク


【訪米】

Q:今週ワシントンを訪問するが、ワシントンでは何を達成されるのか? どのような成果を期待するか?

A:ブッシュ大統領とは昨年のAPECの際ハノイでお目にかかったが、今回は再びワシントンを訪問し、お目にかかれるのを楽しみにしている。また家内もローラ夫人とお目にかかれるのを楽しみにしている。日米同盟はかけがえのない同盟である。今回の訪米を機にさらに信頼関係を強め、この同盟関係を揺るぎないものにしていきたい。そしてより幅広く深いものにしていきたいと考えている。


北朝鮮

Q:最近6者会合で北朝鮮についての合意ができたことをどのように思うか?

A:6者会合における合意ができたことはよかったと思う。大切なことは、実際にこの合意にのっとって北朝鮮が具体的に核廃棄に向けて行動を取っていくことだ。彼らが約束を守っていくということが重要なことであり、そのためにも国際社会は連携をしていく必要がある。そして彼らがそういう行動を取らなければ、彼らが今抱えている問題は何一つ解決できない。そして彼らの状況はもっと悪くなっていくということを彼らに理解させなければならないと思う。

Q:ワシントンでは日本は脇に置かれているという人もいる。日本にとっては拉致問題は極めて重要だと言うが、拉致問題が解決されるまで日本は協力に参加しないのか?

A:この問題について日米はしっかりと連携を取って、私もブッシュ大統領と電話で協議をしている。拉致問題について言えば、日朝の作業部会の中で議論していくことになっており、この拉致問題が解決されなければ日朝作業部会において国交正常化にはならないわけで、結果として6者会合において目的に沿った措置が取れないという仕組みになっている。そして、われわれがこの拉致問題について作業部会において前進が見られなければ、エネルギーの支援に参加できないということについては、6者会合のメンバー、もちろん北朝鮮は除くが、米国をはじめとして各国に理解されている。この問題に進展があればもっと大きな貢献を6者会合において日本は行うことができる。

Q:この問題に関する進捗はどうか? 前進はあると思うか?

A:進捗については、今の段階では北朝鮮はまったく誠意ある対応をしていない。われわれは拉致問題について進んでいるという判断をすればそれが進歩である。これは北朝鮮が決めることではなく、われわれが決めることである。私は日朝正常化をしなければ、北朝鮮はその未来をつくることはできないと考えている。


【中国】

Q:今まで総理は中国を訪問し、日中関係の改善に成功した。最近は温家宝総理が日本を訪問した。この日中関係を現在どのように見ているか?温家宝の訪日の成果はどうか?
A:私は昨年9月に総理に就任以来、半年が経過したが、胡錦濤主席とは訪中した際、そしてAPECの際2回お目にかかっている。そして温家宝総理とは訪中した際、セブ島での東アジアサミット、そして今回の訪日の際の3回会談を行っている。昨年私が訪中した際に日中関係戦略的互恵関係を両国で構築していくことで中国と一致をした。これは両国が関係を強化することによって両国の国益が増進していくという関係である。例えば環境の問題、エネルギーの問題、北朝鮮の問題、あるいは東アジアの発展の問題、そして例えば国連改革の問題等があると思う。こうした協力は日中関係だけではなく、アジア、そして世界のためにも利益となると思う。


憲法改正

Q:総理は今後の日本の自衛隊の役割をどう考えるか? 憲法の解釈変更や憲法9条を改正すべきか?

A:まず今年防衛庁防衛省に移行した。この省への移行は民主主義の成熟とシビリアンコントロールへの自信を表すものである。このことは私がフィリピンのアロヨ大統領に会ったときに言われたことである。そしてアロヨ大統領はもう1つ付け加えた。これは日本がアジアにおける平和維持と発展に貢献するとの意思表示であり、歓迎したいと述べた。日本と世界をめぐる安全保障の環境は大きく変化した。大量破壊兵器の拡散、テロとの戦い、地域紛争が頻発している。それと同時に日本は国際的課題に対し貢献をすることが求められている。その中で日米同盟をより強化していくことが日本や地域、世界の平和と安定に資することであると考えているし、そのために何をすべきか、世界に貢献をするために何をすべきかということは当然政治家として、責任あるものとして考えるべきである。その観点から法整備、解釈を研究していきたい。

Q:憲法改正についてはどうか?

A:憲法の改正については、憲法は制定をされてすでに60年が経過しており、この中において時代に合わない条項もあるし、プライバシー、環境といった盛り込まなければいけない新しい価値観もある。ご承知のように憲法は占領下で制定されたものであり、21世紀に相応しい自分たちの国の形を物語る憲法をわれわれ自身の手で書くことが大事である。現在の憲法が持っている主権在民基本的人権、平和主義という基本的な原理はそのまま次の草案にも基本的原理として書き込んである。やはり自分たち自身で憲法を書く、その精神が大事である。基本法であるからである。


慰安婦

Q:総理の慰安婦についてのコメントについて、アメリカで反感が出ているが。

A:私は当時の慰安婦の方々に対し人間として心から同情をするし、そういう状態に置かれたことに対し、日本の総理として大変申し訳ないと思っている。20世紀においては人権が世界各地で侵害された世紀であるが、日本にもその責任があり、例外ではない。われわれはわれわれの歴史に対し常に謙虚でなければならないし、常に私たち自身の責任を思いを致さなければならないと考えている。

Q:私の記憶が正しければ軍が関与した証拠はないと述べたように記憶しているが。

A:これは官房長官談話のときの政府の調査についてであり、私が初めて述べたものではなく、今までの政府の見解(平林外政審議室長答弁など)を述べたものである。つまり事実関係について述べたのは私が初めてではないということである。ここで事実関係について述べることにあまり意味はないということである。

Q:要点は軍が女性を辛い状況に追い込んだことについて河野談話の立場を継承し、総理としてお詫びするということか?

A:彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況につき、われわれは責任があると考えている。そのときの状況として、慰安婦として彼女らが非常に苦しい思いをしたことに対して責任を感じているということである。念のために言っておくが、慰安婦の問題に関しては河野官房長官談話を私の内閣は継承しているとは一貫して言っていることである。

【経済改革】

Q:総理としてどのような経済改革を目指すか? 米国人に対して総理の任期中に具体的にどのような改革をしたいか? 経済改革でどのように国を変えたいのか? 例を示してほしい。

A:小泉総理時代に改革を進めてきたが、私の内閣でも引き続き力強く経済改革を進めていく。私の内閣では成長をするための2本の柱を示している。1つはイノベーション、もう1つはオープンな姿勢である。イノベーションを進めていくためには規制を緩和していく。オープンな姿勢とはFTA、EPAを広げていこうと考えている。そして外国からの投資をより容易にし、5年間で倍にしたいと考えている。米国民が具体例を知りたいというのであれば、三角合併について日本で行えるように確実に5月からできるように実行する。それに今までは経済においても役所の関与が経済の活動を阻害しているところがあったが、小泉政権でも困難であった公務員制度の改革を行っていく。今国会で法案を提出する。


【中東訪問】

Q:総理は訪米の後、中東を訪問するが、ワシントンでの主要な課題は核拡散のリスクの可能性について話されると思うが、イランの危険性についてどのように見ているか? また中東訪問でどのような成果を上げようとしているのか?

A:日本は中東にエネルギーの多くを依存している。つまり中東の平和と安定は日本にとってバイタルな関心である。私は中東諸国の指導者と中東諸国の平和と安定をいかに確保するかについて話し合いたい。イランについては、日本はイランとは良好な関係を維持している。国連決議はすでに採択されているわけであるが、これからも日本の影響力を使ってイランに平和的な解決に向け、国連決議にのっとって国際社会の懸念に応えるように働きかけたい。

■ ウォールストリートジャーナル


北朝鮮

Q:北朝鮮に核を放棄させるためのインセンティブはあるとお考えか。もしないとすれば、6者協議に参加することによりいかなる利益を得られるのか。

A:北朝鮮核武装によって最も脅威を受けるのは日本である。北朝鮮は日本への運搬手段であるノドンを持っている。そして北朝鮮が最も国交正常化をしたい国は、もちろん米国もそうであるが、日本である。日本と国交正常化をすると、日本から、多額の援助が行き届くことになる。われわれは北朝鮮に核を放棄させなければならないということで、6者協議における合意をした。大切なことは彼らが約束を守るかどうかであって、彼らが約束を守らない場合は、今北朝鮮が抱えている経済の問題や食糧の問題を解決することはできない。さらにはもっと状況は悪くなっていくということを北朝鮮に理解させなければならない。

Q:北朝鮮に実際、核を放棄させるようなインセンティブというのは何かあるのか
A:インセンティブとしては、日本と北朝鮮の間においては、日本は極めて厳しい経済制裁をとっている。この制裁を解除したいのであれば、彼らが約束を守るということ、制裁は核の問題だけでなく拉致の問題も含めてであるが、彼らが約束を果たしていくということによって、この制裁が解除される。それがインセンティブである。バンコデルタアジアについて分かるように、北朝鮮に対し、米国のこの措置は極めて有効であったと思う。

Q:米国がこの北朝鮮問題でUターンするということは日本にどう影響するか

A:今後もし、北朝鮮が約束を実行しないのであれば、われわれはどうするかについて日米でよく話しをしなければいけないと思うし、今度訪米した際にも、大統領と今後の北朝鮮政策についてつっこんだ話をしたい。


構造改革

Q:経済政策について具体的にどのような改革を実施するつもりか。特に税制改革、規制改革、労働市場改革に関してお伺いしたい。

A:経済改革について、税制改革については、今年の秋に議論をしたい。国際競争力の観点、いま増えている社会保障費にどう対応していくかという観点もあろう。グローバルな経済の中で税制をどう考えるかということもある。そうした観点から税制の改革について議論していきたい。規制緩和については、さらに規制緩和を進めていく。また、私の内閣ではイノベーションを重視しており、イノベーションを進めていくためにも規制緩和は必要である。先ほど述べた税制については、例えばガソリン税のような極めて困難な税制について、すでに昨年、これを改正するということにした。そして私の内閣では成長するためにイノベーションを重視しており、もう一つはオープンな姿勢を重視している。私は、EPAFTAを広げていきたい。そして、WTOを妥結させるために、役割を果たしていきたい。また日本への投資について、投資環境をより改善して、5年間で日本への投資を倍増したい。そしてまた国内では割と抵抗が強かったが、三角合併についても今年の5月1日から、着実に実施をしていく。また労働市場改革については、この国会に6本の法律を提出している。

Q:小泉総理が成し遂げたことの一つに銀行セクターの不良債権処理がある。安倍総理はご自身の政権で、何をすることにコミットされているのか。

A:私は経済を力強く成長させていくということを約束している。そのために先ほど申しあげたイノベーションとオープンな姿勢が重要である。そのためには例えば、これだけをやればいいということではなく、税制改革も必要であろうし、規制改革も必要であろうし、行政改革も必要であろう。行政改革については国会や官僚機構で大変抵抗の強い改革であるが、行政改革を進め、近々、国会に法律を提出する予定である。


【首相のリーダーシップのスタイル】

Q:行政改革をやり遂げるリーダーシップのスタイルは何か。日本の国民はコンセンサスリーダーシップを求めているのではないか。

A:もともと日本というのはコンセンサスリーダーシップを重視しているが、しかし、それではグローバルなこの経済の時代にスピードがついていけないという認識を日本人は今持っている。であるから、私はやはり、これはアグレッシブなリーダーシップを発揮すべきときには、発揮をしなければいけないと思う。

Q:日米関係に映りたい。北アジアで軍事面その他の分野でアメリカはどのような役割を果たすことを期待されているのか

A:東アジアにおいて、米国のプレゼンスは安全保障上も経済上も重要である。であるから、日米同盟はというのはかけがえのない同盟であり、日米同盟によってこの東アジアの安定は、この日米同盟は東アジアの安定のためには、極めて重要であると思う。中国の発展台頭というのは、アジアにとってチャンスであり、また課題でもある。また安全保障面においては、19年連続軍事費は増大している。そして、不透明性があるという問題的がある。また、中国の経済においても、不均衡、また知的財産権の問題についてもいろいろな指摘もある。中国が国際社会において責任ある役割を果たしていくように、われわれは働きかけていく必要があると思っている。そのためにも米国のプレゼンスは極めて重要である。

Q:中国の防衛費が増大している。そういった脅威に対応するために、日本も防衛費を増額しなければいけないのか。そして総理から見て、欧米諸国は正しい対応をとっているのか。十分に彼らの力をテコにして中国に対応していないような気がするけれども、欧米の対中姿勢は正しいのか

A:まず日本は中国の軍事費の増強に合わせて、日本も軍事費を増やそうというふうには考えていない。しかし、日本の防衛力は常に確かなものにしなければならないと考えている。そして日米の同盟関係をより効率的にしていかなければいけない。より強化をしていく必要があると思う。これが地域の平和と安定にとって一番大切であると私は思っている。そのために私は法的な整備をしなければいけないと考えている。憲法との関係においてもそのための研究をしなければならないと考えている。いわゆる集団的自衛権の行使についての研究である。

Q:何か総理の方から、これは言っておきたいことはあるか

A:まずは、私はさらに力強く改革を進めていくということである。幸い景気については回復基調にある。われわれは力強く経済を成長させていくことによって、さらに世界に対して貢献をしていきたいと思っている。今回、ブッシュ大統領との会談において、信頼関係をさらに厚いものとし、そして同盟関係を揺るぎないものにしていきたい。》