文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

フランス暴動とブログと中国と

フランスのアラブ系移民暴動の推移を、同じような移民問題を抱える欧米各国が注視している。皮肉な言い方をすれば、このアラブ系移民問題の超先進国がフランスなのだ。「自由、平等、博愛」を国是とする建前からすれば移民に対しても寛容な進歩的な政策を取っていたはずだが、今やおそらく建前ではすまされない深刻な状況に追い込まれているのだろう。というわけで、この暴動に関連して、面白い記事を見つけた。「やはりそうだったのか…」と思う。ここでもネットと携帯メールとブログが大きな役割を果たしているようだ。これまた皮肉なのことだが、欧米先進国が批判した中国の反日暴動を思い出す。中国の反日暴動でも、その重要な武器になったのはネット、携帯メール、ブログ等だった。社会的に阻害され、不満を抱えた若者達が,ブログで刺激しあい,ケータイで連絡を取り合う、というわけだ。フランスのアラブ系移民暴動は、中国の反日暴動を模倣しているのかもしれない。とすれば、おそらく、欧米先進国だけでなく、世界中が、近い将来、ネット、携帯、ブログなどを武器とした反乱・暴動・革命の季節に突入するかもしれない。ところが、権力側もそれを黙って見ているだけではない。ネットや携帯による暴動に対してフランス政府側もネット対策、ブログ対策に乗り出してきたらしい。暴動で騒ぐ若者を「社会のくず」呼ばわりしたことで物議をかもし、今でも強硬な取り締まりを指揮するサルコジ(Sarkozy)内相が、AdWordキャンペーンを指示したというのだ。これまた、暴動鎮圧の手段として、反日暴動における中国政府のネット対策とネット支配に学んでいるのだろう。とすれば、今や中国が、この問題の先進国というわけか。国連貿易開発会議(UNCTAD)が10日、発表した2005年版の「情報経済白書」によると、中国のネット人口(ブロードバンド加入者)は、韓国を追い抜いて、近いうちに米国についで二位をキープしている日本をも追い抜く勢いとか。いずれにしろ、これからの反政府暴動や革命は、ネットや携帯をめぐる攻防となるだろう、というわけだ。それを聞いて、わが国で、世耕ナニガシによる「ネット対策」や、小泉政府べったりの「ネット右翼」、「ネット・ストーカー」の暴走を思い出すのは、「わたしだけー(???)」。つまり、わが国では、暴動よりさきに、管理と弾圧が先行しているというわけかな…(冷笑)、世耕クン。



2005年11月10日
フランス暴動をけしかけたのはブログとケータイ,仏内相はGoogle AdWordで対抗

 フランス全土に拡大した暴動。全仏に一気に飛び火したのは,ブログやケータイなどネットの影響が大きかったからだ,と公安の専門家が語る。不満を抱えた若者達が,ブログで刺激しあい,ケータイで連絡を取り合う。今や当然の成り行きだろう。

 政府もネット戦略を練った。何と,検索連動型広告のAdWordを採用したのだ。強硬な取り締まりを指揮するサルコジ(Sarkozy)内相がAdWordキャンペーンを指示した。仏語版Google検索で,「暴動」とか「暴力」「炎上した車」などのワードで検索をかけると,その検索結果ページに連動してUMP(Union pour un Mouvement Populaire )へのリンクを張った広告が掲載される。サルコジはUMP党首でもあり,暴動で騒ぐ若者を「社会のくず」呼ばわりしたことでも物議をかもした。

 今回のAdWordキャンペーンで,3万7000人がクリックしてUMPサイトにアクセスしたという。ZDNet Franceによると,UMPサイトへのトラフィックが10〜15%増えたとのことだ。


◇参考
・French youths turn to Web, cellphones to plan riots (Reuters via Yahoo NEWS)
・Sarkozy Googles as Paris Riots(BusinessWeek online)
AdWords on French Riots

(メディア・パプ http://zen.seesaa.net/)

◎中国、日本抜く勢い=トップは米国−ブロードバンド加入者
 【ジュネーブ10日時事】国連貿易開発会議(UNCTAD)は10日、2005年版の「情報経済白書」を発表した。それによると、04年のブロードバンド(高速大容量)加入者数のトップは米国で3789万人(前年比50.9%増)、2位は日本で1866万人(同25.1%増)で、ともに順位はかわらず。一方、韓国を抜いて3位となった中国は1693万人、61.0%増の高い伸びで、近く日本を抜く勢いだ。 
2005年11月11日02時18分 時事通信社






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