文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

学士会館で講義する丹羽春喜博士…

dokuhebiniki2005-05-28



昨夜は、久しぶりに、丹羽春喜教授を囲む勉強会「丹羽経済塾」に出席した。今年に入って、日程の都合がつかず欠席続きで、丹羽先生に会うのも本当に久しぶりだった。今回から、虎ノ門から場所を神田の学士会館に移し、再出発のようだ。僕は始めてだったが、学士会館は実に堂々たる建物で、あたりには私学出身の小生などにはちょっと場違いとも感じられるような、いかにもとでも言うべき官学臭が漂っている。丹羽先生は相変わらず元気で意気軒昂だ。昨夜のテーマは、「バブル以後の経済政策史」だった。「クラウディグ・アウト現象」と「買いオペレーション」の問題が、核心であったが、たまたま僕は、平河総研のメルマガで、この問題を扱っている最中だったので、興味深く聞いた。国債発行がもたらす「民間資金の吸い上げ」「民間の資金不足」と、それに対する対応処置としての日銀の「買いオペ」による「民間への資金の循環還元」という問題である。丹羽先生の分析では、福田内閣時代の積極的な「総需要拡大政策」が、「クラウディグ・アウト現象」という問題を「買いオペレーション」によって克服すべきであったにもかかわらず、「日銀の裏切り」によって野放しになり、結局、本格的な景気回復につながらなかったことが、平成不況へと続く大きなターニング・ポイントになった、ということになる。それ以後、ケインズ的な総需要拡大政策そのものが最悪視されるようになり、平成不況を長引かせる原因になっていった、というわけだ。丹羽先生の分析はいつも問題の肝心ポイントを押さえていて、実に論理的で、しかもわかりやすい。勉強会の後では、コーヒー(僕はビール?)を飲みながら、先生と雑談。「マンデル・フレミング効果」や、反ケインズの巨頭・ルーカスの「合理的期待仮設」等について伺う。先生から、ケインズの「ブルーズべリ・グループ」の一員だったバージニア・ウルフの自殺について質問されるが、小生、答えられず(爆笑)。逆に、スターリンの「独ソ戦」における開戦演説に「チェーホフの国を守ろう…」という言葉が出てくるという話を教えられた。うーーん、スターリンが「チェーホフの国」か…。しかし、先生もこの演説の中身を確認はしていないらしいが…。