文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「朝日新聞」罵倒言説で成り立つ最近の保守論壇の思想的貧しさ

朝日新聞の、シナ報道を始めとしてその反日的、侮日的な報道体質に問題があることは今更いうまでもないが、しかし朝日の悪口や罵倒を繰り返すだけの最近の保守論壇保守系ブログhttp://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000540.htmlの言説の程度の低さにもウンザリする。「朝日」的言説が戦後日本の論壇的言説空間を、善かれ悪しかれ、支配し先導してきたことはまぎれもない事実である。なぜ、「朝日」的言説が支配し先導出来たのか。言い換えれば、何故、戦後の保守派は、ごく一部の文学者たちや政治家たちを除いて、孤立無縁で、思想的にも政治的にも無力だったのか。それにはそれなりの理由があっただろう。たとえば、僕は、今、丸山真男を読んでいるが、丸山真男は単純素朴な戦後民主主義のイデオローグではない。丸山真男が戦後思想の巨人たり得た理由は、そのイデオロギーだけによるのではないだろう。保守思想にもつながる思想性の深さによるのだ。未だに、いや今だからこそ、丸山真男関連の本が続々と出版される理由はそこにある。たとえば『丸山真男音楽との対話』という本を読むと、丸山真男ワーグナーナチスの思想性を深いレベルで了解していたことがわかる。それは小林秀雄の『ヒットラーと悪魔』に通じる思想性だ。最近の保守思想家にそのレベルに達した思想家はいない。朝日新聞を批判し罵倒して満足しているようなインチキ保守ばかりだ。思想状況や政治状況の変化によって「朝日」的言説の影響力が落ちているとはいえ、その思想性はまだまだそこらへんに跋扈する「偽・保守」、「俄保守」の低レベルな保守よりははるかに深いのだ。小泉の「朝鮮人・中国人査証の自由化」発言に関して、「朝日新聞」の報道の仕方が悪いと息まいて、問題を朝日新聞の責任問題に転嫁しようとしている「ゴリ」さんよ、http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000540.html、小泉発言そのものの政治責任はどうなのか。中国人へのビザ自由化の問題は、朝日新聞の責任ではないだろう(冷笑)。自分たちの立場が悪くなると、すぐに朝日新聞に責任転嫁し、朝日新聞罵倒を一斉に叫び出す最近の俄か作りのインチキ保守派のみなさんよ、「みんなで叫べば怖くない…朝日新聞批判…」ですか。それこそ「朝日新聞」依存症そのものだろう。そんなものは、朝日新聞がなくなれば即座に消えて亡くなる程度の保守思想だろう。朝日新聞批判でしか成り立たない保守思想なんて・・・。福田恒存小林秀雄、あるいは三島由紀夫江藤淳は、そんな低次元の保守思想家ではなかった。おそらく彼等は草葉の陰で、最近の保守派の思想的退廃と人心の荒廃ぶりに絶望して泣いているだろう。あの孤立無縁な保守思想を、「保守反動」と罵倒されつつも、必死で保持してきた「戦後保守」も、ここまで大衆的な衆愚レベルの「流行思想」へ堕ちるものなのか、と。衆は愚である。

訪日観光ビザ、中国全土への拡大を恒久化 首相が伝達へ
2005年05月20日15時34分

 政府は中国人団体観光客への査証(ビザ)発給の対象地域を、愛知万博期間中に限って中国全土に拡大し、問題がなければそのまま継続する方針を決めた。小泉首相が23日、来日中の呉儀(ウー・イー)副首相との会談で正式に表明し、早急に実施に移す。政府内には治安悪化への懸念などから慎重な意見もあったが、首相の強い意向で全土拡大の事実上の「恒久化」が決まった。政府は冷え込んだ日中関係を改善する契機としたい考えだ。

 日本政府は個人の中国人観光客にはビザを発給していない。団体客についても、対象を北京、上海、天津の3市と広東、遼寧山東、江蘇、浙江の5省の居住者に限っている。

 9月25日までの万博期間中に限っての全土拡大方針は、北側国土交通相が1月の訪中時に明らかにしたが、中国側は期間を限定せず、当初から恒久化するよう求めていた。

 このため、日本政府としては、万博期間中に旅行客の失踪(しっそう)や不法滞在などの問題が起きないことを前提としながらも、「事実上の無期限延長措置」(政府関係者)として、今回の方針を決めた。ただ、将来、犯罪が増加した場合などに見直しの余地を残すため、「恒久化」という言葉は使わない。

 外務、法務、警察などの関係省庁が19日、首相官邸で合同検討会議を開き、正式に決めた。

 政府関係者によれば、首相から「とにかくやれ。やってみて駄目なら直せば良い」と指示があったという。

 日本政府は台湾に対しては、万博期間中、短期ビザの免除を実施している。政府関係者は20日、「台湾との関係で、中国が期間や地域の限定に納得できないというのも分かる」と述べ、台湾とのバランスも配慮したことを明らかにした。

asahi.com 2005年05月20日15時34分)