文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

■「小泉支持率」50パーセントを再び突破?

小泉内閣の支持率が再び50パーセント代を回復したと読売新聞が伝えている。

結局、日本の政治も経済も、小泉内閣の人気満了(任期満了)を待つしかないということだろうか。あらためて、わけのわからない国民的な「人気」という指標で政権が運営・延命されていくことの恐ろしさを痛感する。言うまでもなく、自民党内でさえ孤立している人物が、国民的な人気という道具で綱渡り的なトリッキーな政権運営を続けいているこの現状こそ、日本の悲劇である。しかし政治的な政権と言うものは、しばしば、こうした世間の常識とはかけ離れた特異な人物に乗っ取られるものなのだろう。しかるに、戦後の自民党政権が安定していたのは、自民党と言う政権政党が、きわめて良識的で、健全な指導者選出のシステムを保持していたからだろう。たとえば派閥抗争という問題がある。自民党と言えば派閥抗争と言い換えてもよかった時代が長く続いたが、僕は以前から、一部のマスコミに蔓延していた「派閥抗争こそ諸悪の根源」というような風潮に対しては批判的であった。総理総裁を目指す派閥抗争こそが健全な、安定した指導者を産み出してきたのだ。小泉総裁誕生の最大の欠陥と悲劇は、派閥抗争とは無縁な人物が政治的な不安定要因の積み重ねを契機に突然、指導者に祭り上げられてしまったことだろう。おそらく自民党が派閥抗争をする力を失った頃から、現在の小泉的政権のスタイルは準備されていたと言っていい。つまり自民党は、単独過半数を制する力を失うと同時に、派閥抗争する政治的パワーさえ喪失し、支持率や人気に依存するしか政権を維持できない日和見政党に堕落したのだ。今は、ただ、静かに小泉政権の満期修了を望むだけだ。「構造改革」から始まった「国連安保理事国入り」「靖国参拝強行」「拉致問題」「反日暴動への謝罪演説」等・・…。支持率アップと人気取りのためならなんでもする小泉政治を産み出したものは、健全な野党になれずに、宗教政党社会主義政党と手を結んでまでも政権に固執し続けた自民党の政治的堕落そのものである。小泉引退とともに自民党も引退してもらいたいものだ。