昭和天皇と田中清玄。「週刊朝日」最新号(4/10)によると昭和天皇は、田中清玄という戦後右翼の大物を通じて、国際情勢の情報収集を試みていたようである。これは、昭和天皇が、時の政府や政権の「情報」や「政策」を、全面的には信用していなかったということだろう。
今、天皇と安倍政権は、明らかに対立している。憲法問題や沖縄問題において、安倍政権の取り巻き文化人の一人、八木秀次等の「天皇批判」が、示しているように、天皇は、安倍政権とは別の方向を目指していると思われる。つまり、安倍政権と天皇は、憲法問題や沖縄米軍基地問題をはじめとして、多くの点で対立しているのだ。
八木秀次は、「安倍政権の改憲路線に逆らうような天皇の護憲発言」を批判しているだけでなく、皇太子や秋篠宮に関わる「天皇後継問題」にまで言及し、要するに「浩宮(皇太子)批判」まで試みようとしているようだ。八木秀次の背後には、安倍首相や安倍政権の取り巻き文化人がいるだろう。天皇が、かなりの危機感を感じているらしいことが読み取れる。
さて、昭和天皇が、戦前は武装共産党の指導者であり、戦後は、大物右翼として、あるいはビジネスマンとして、国際的な人脈を駆使して活躍した田中清玄を、「情報源(インテリジェンス)」として活用していたのは、戦前の「失敗」に学んだからだろう。戦前の失敗とは何か。それは、正確な情報が、天皇のところまで上がってこなかったということだ。
その失敗と教訓を生かして、昭和天皇は、本当に天皇という存在を思う人間を選別し、政府や官邸ルートとは別の、信頼できる人物に情報提供を求めたということだろう。田中清玄は、転向して右翼を自称しているとしても、元々は、武装共産党の指導者である。田中清玄が逮捕された時、そのことで、母親は自決している。普通なら警戒して遠ざけるところだろう。しかし、昭和天皇は・・・。
今、平成天皇は、安倍首相や八木秀次のような口先だけの天皇主義者を信頼しているか?おそらくNONであろう。
昭和天皇は、次のようなメッセージを、沖縄県民に発信している。
先の大戦で戦場となった沖縄が、島々の姿を変える甚大な被害を被り、一般住民を含むあまたの尊い犠牲者を出したことに加え、戦後も長らく多大の苦労を余儀なくされたことを思う時、深い悲しみと痛みをおぼえます。
この沖縄と沖縄県民への昭和天皇のメッセージの精神を、平成天皇が受けつでいることは、言うまでもないだろう。むろん、安倍首相や菅義偉官房長官が、この昭和天皇のメッセージを、無視、黙殺、冷笑していることも明らかだろう。
安倍首相や菅義偉官房長官、あるいは八木秀次等は、口先だけの天皇主義者にすぎない。天皇陛下も皇后陛下も、安倍首相や菅義偉官房長官を、おそらく警戒し、昭和天皇と同じように、田中清玄のような、秘密の情報ルート(インテリジェンス)を持っているのではないか?
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