文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

東電が14日夜撤退を政府に打診、菅直人首相は打診を拒否。「撤退は許さぬ」と追い詰める。

福島原発事故の処理が危機的な局面を迎えつつあるが、東電が14日夜の時点で、東電側が東電技術陣では対処不可能と判断し、全面撤退を政府に打診したが、菅直人首相はこの打診を拒否し、東電側に無理矢理、被曝覚悟の特攻隊的作業を無理強いしていたということが明らかになった。よし、ここは国家・政府、つまり原子力発電の研究者や専門技術者、あるいは実行部隊としての自衛隊化学部隊に任せろ、と言うべきだった。覚悟のない、やる気のない民間の人間に特攻隊的作業を任せても、うまくいくはずがない。菅直人が東電本社に乗り込んだことや、枝野官房長官の無責任な「安全宣言」的のらりくらりの記者会見、テレビに出演した東大教授たちの楽観論的コメント、仙谷由人官房副長官への登用、あるいはその後の「天皇メッセージ」の登場…等が、何を意味していたかは明らかである。つまり、菅政権内部が、かなり追い詰められていたことを意味する。おそらく東電側は、技術的に「お手上げ」だったが、菅直人に怒鳴られて、仕方なく現場に残ることになったものと思われる。東電側のシドロモドロの会見や枝野官房長官の無責任な、つまり専門的知識もないのに、付け刃の、いい加減なことを適当に語る「おしゃべり会見」は、時間稼ぎでしかなかったのではないか。早い段階で、米軍や自衛隊が、登場するべきだったと思われるが、いずれにしろ、東電の責任は免れないが、原子力発電の専門技術者と、国家レベルの使命感に燃えた自衛隊部隊、および米軍に現場を任せるべきだった。しかし、過ぎてしまったことを話していても無駄である。今からでも遅くない。「折木良一統幕議長」をはじめて見たが、彼の記者会見を見て、この人は信用できると思った。あまりにもいい加減な政治家やリーダーばかり見てきたので、彼の存在が新鮮に見える。東電の技術者たちは、生死を賭けた現場作業に不慣れであり、おそらく怯えているだろうと思われる。ここは、こういう場面を想定して訓練を重ねてきたであろう自衛隊の特別編成部隊に登場してもらうしかあるまい。たぶん、成否はどうであれ、これを契機に日本国民が自衛隊を見る目が大きく転換する。そして、憲法改正の上で、自衛隊は正式の「軍隊」となるのではないか。いずれにしろ、今さら、言っても無駄だろうが、菅直人は引き際を誤ったと言うほかはない。やはり国民の支持を失った時点で、国民のためにも官邸を去るべきだった。「国難」や「国家的危機」に立ち向かうべき器ではないことが世界中に暴露され、逆に権力に固執する権力亡者の哀れな姿が暴露されたということだろう。自業自得である。今こそ、菅直人に、「逃げるな」「逃げるなら地獄を見てからにしろ」と言いたい。すでに欧米のメディアは、菅直人の政治力と人間性を問うことを始めている。気の毒というほかはない。繰り返すが、菅直人は、民間人である東電社員に「死ね」と命令したことになる。これは、菅直人が、特攻攻撃作戦を立案したと言われる大西瀧治郎海軍中将だということだ。大西中将 は、「死を命じた責任者」として、敗戦直後に自決したが、大西は戦争に勝っていたとしても自決しただろうと言われている。(続く)

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福島原発:東電全面退去打診 首相が拒否…水素爆発2日後



 東京電力福島第1原発の高濃度放射能漏れ・爆発事故で、東電側が14日夜、同原発の職員全員を退去させる方針を政府に打診していたことが分かった。現地での作業継続は困難と判断したとみられ、自衛隊と米軍にその後の対応を委ねる構えだったという。菅直人首相は打診を拒否し、東電側も一部職員を残すことになったが、東電はその時点で高濃度の放射線被ばくが避けられない原子力災害に発展する可能性を認識していたことになる。

 複数の政府関係者によると、東電側が14日夜、「全員退去したい」との意向を枝野幸男官房長官海江田万里経済産業相にそれぞれ電話で申し入れた。両氏は認めず、首相に報告した。首相は15日午前4時過ぎ、清水正孝・東電社長を官邸に呼び、「撤退はあり得ない。合同で対策本部をつくる」と通告。その後、東京・内幸町の東電本店を訪れ、「東電がつぶれるということではなく、日本がどうなるかという問題だ」と迫ったという。

 政府当局者は14日夜の東電側の打診について「全員を撤退させたいということだった」と明言した。

 一方、東電側も首相への不満がくすぶる。東電によると、同原発では協力会社と合わせ計4000〜5000人が働いているが、現在、現地に残っているのは約300人。発電所の制御や復旧などの作業にあたっている。

 東電関係者によると、15日早朝に首相が東電本店を訪れた際、事故対応に追われる社員が会議室に集まったが、首相は「こんなに大勢が同じ場所にいて危機管理ができるのか」と非難した。東電関係者は「『撤退は許さない』というのは『被ばくして死ぬまでやれ』と言っているようなもの」と漏らした。

 東電幹部の話 (必要最低限の作業員を残し、あとは退去する)部分的な撤退を検討したのは事実だが、全員撤退を検討した事実は絶対にない。

【三沢耕平、小山由宇】

福島原発が地震・津波に弱いことは分かっていた。読者からの情報提供です。

福島原発の大惨事は人災といえます。
以下を参照ください。


2007年7月24日、「福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」を行ったが...
福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになってい
る。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機
器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その
対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。」
http://www.jcp-fukushima-pref.jp/seisaku/2007/20070724_02.html

http://www.jcp-fukushima-pref.jp/seisaku/2007/20070724_02.html

                          2007年7月24日

東京電力株式会社
取締役社長 勝俣 恒久 様



日本共産党福島県委員会
委員長 最上 清治
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子
原発の安全性を求める福島県連絡会
代 表 早川 篤雄



福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
 東電柏崎刈羽原発中越沖地震への対応は、福島県民に大きな衝撃をもたらしたばかりか、多くの国民にも疑問と不安をもたらしている。東電がこれまでどんな地震にも大丈夫という趣旨の主張を繰り返してきたことと裏腹に、消火活動が出来なかったり、放射能を含む水が海に流出したり、放射性物質が3日間も主排気筒から放出されたり、原子炉建屋などの地震の波形データが大量に失われている。

 そもそも、1995年に阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震の岩盤上の地震動の記録は、日本の原発のなかでもっとも大きい地震に備えるとされる中部電力浜岡原発の設計値を越えていた。このことは1981年に原子力安全委員会が決定した原発の耐震指針の基礎が崩壊したことを示したものであった。


 以来、私たちは、国と電力会社に対して、耐震指針の抜本的見直しと原発の耐震新指針の確立を求めてきた。2006年、原子力安全委員会は「新耐震指針」を決定したが、原子炉を岩盤でなくとも建設できるとか、活断層がない場合の規定が曖昧など大きな後退や問題をもつものであった。


 今回発生の中越沖地震柏崎刈羽原発を襲った揺れは、設計時の想定を最大3.6倍と大きく上回った。これまで兵庫県南部地震の事実を突きつけられても、原発の耐震性は大丈夫としてきた政府と電力会社の説明は完全に覆されていることを率直に認め、以下の対応を早急に取るよう求める。


中越沖地震から教訓として何を取り入れて対応したのか、また対応しようとしているのか。その上に立って、福島原発10基の耐震安全性を総点検すること。


東電は、柏崎刈羽原発の設置許可申請時におこなった海底調査で、今回発生した中越沖地震を引き起こした断層があることをつかんでいたことが判明している。
 これまで福島原発立地周辺の断層調査の全容と安全審査の対象にしたのはどの断層で、対象からはずしたのは何かを明らかにすること。


発電所内の自衛消防隊の消火体制の確立・強化をはかり万全をはかること。


福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
 柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める。


危機管理体制の再点検を行い、その結果を速やかに公表すること。

以 上


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緊急連絡。「江古田哲学研究会」第6回勉強会(「柄谷行人の『世界史の構造』を読む」)を、今月、第三金曜日(3/18)、午後7時より開催します。場所は、いつものように西武池袋線江古田駅北口1分、「江古田樽平ロフト」です。

巨大地震原発爆発、計画停電、買占め騒動…と、あわただしい日々が続いていますが、予定通り、わが「江古田哲学研究会」は開催します。前回で「序文」のところが終わりましたので、今回は「序説ー交換様式論」(3P)からです。よろしくお願いします。

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