文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

廣松渉と桜井誠。あるいは「つか・こうへい」や林芙美子。福岡や北九州が産んだ思想家や文学者たちの「思想の骨肉化」と「土着化された思想」と「思想の実践的活動家」ー『ネット右翼亡国論』のために。


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ヘイトスピーチ」、「在特会」、「桜井誠」・・・を考える時、その出身地である「北九州」や「福岡県」という問題について考えないわけにはいかないだろう。私は、安田浩一の『ネットと愛国』を読んで以来、桜井誠の思想的原点があると思われる出身地「北九州」にこだわっている。言い換えれば、桜井誠が北九州出身であることを知って以来 、桜井誠に親近感をもつようになった。


同じく、革命家として、あるいは世界的なマルクス研究家として、戦後、左翼革命運動の歴史に一時代を画した廣松渉も、福岡県柳川市出身であるが、その出身地「福岡県柳川市」に異常にこだわっていたそうである。


廣松渉は、弟子スジの熊野純彦(東大教授)の証言によれば、ことあるごとに、自分が「九州男児」であることを強調していたらしい。あのクールで、冷徹そうな容貌や、東大教授にまで上り詰めた、その華やかな経歴からは想像もつかない一面である。廣松渉が、強調したかったことは、「思想の骨肉化」、あるいは「土着の思想」、「思想の実践活動家」という問題だったのではないか。


佐藤優は『廣松渉論』で、「廣松渉は第一義的に革命家であった」「廣松渉は、思想を生き死にの問題とした思想家だった」というようなことを書いている。ところで、今、話題の「在特会」の「桜井誠」であるが、確かに廣松渉桜井誠を比較すること自体がとんでもなく間違っているように見えるだろうが、私は 、そんなことはないと思う。


廣松渉桜井誠も、知識や教養を振り回すだけの観念的=空想的文化人ではなく、「思想の骨肉化」を生きた「土着の思想家」「思想の実践活動家」だった。この点に関する限り、廣松渉桜井誠は同等である。それ故に、廣松渉桜井誠には、日本の文化人、思想家にお馴染みの「転向」という問題が存在しない。


廣松渉の周辺に集まっていた弟子達は、ほぼ例外なしに、「大学教授」になると「転向」している。あくまでも政治活動、つまり革命運動に固執する廣松渉との交流を絶つ。要するに、大学教授になることが、彼らにとっての第一義的な目標であった。廣松渉自身はどうだったか?廣松渉は、そうではなかったかもしれないが、廣松渉が、弟子達に、革命運動への参加という「甘い幻想」を持っていて、結果的に見事に裏切られた事は間違いない。


佐藤優の『廣松渉論』によると、あの「革マル」の指導者で哲学者の黒田寛一が、廣松渉と弟子達の関係を皮肉たっぷりに論じているらしい。黒田寛一は、廣松渉の弟子達は「ニセモノ」だったと言いたいらしい。むろん、黒田寛一の弟子達は、「ホンモノ」だったと言うわけだ。私は黒田寛一の分析に賛同する。



黒田寛一に『<異>の解釈学ー熊野純彦批判』という本がある。私は、最近まで、書名すら知らなかった。佐藤優の『廣松渉論』で初めて知ったが、実に面白い本である。廣松渉熊野純彦の関係を、単なる人間関係だけではなく、思想的関係をも論じている。熊野純彦は、師・廣松渉の哲学の真髄をまったく理解していないという。このことについて、佐藤優も、黒田寛一に同意している。


(続く)

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