文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

戦後思想とヒューマニズムとテロリズム。戦後憲法や戦後思想の貧しさの根本原因は、素朴なヒューマニズム信仰にある。


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ヒューマニズムを主張していれば、戦争もテロリズムも起きないというわけだ。果たして、そんなに単純なものなのか。むしろ、過剰な近代主義的なヒューマニズムテロリズムや戦争を生み出すのではないのか。


20世紀は戦争と革命、テロリズムの時代だった。あるいはナチズムやファシズム全体主義の時代だった。それらの「絶対悪」を克服したのがヒューマニズムとデモクラシー・・・だというわけである。果たして、そんな単純素朴な二元論で、戦争やテロリズムを排除、追放できるのか?


佐藤優は、現代でヒューマニズムの思想を実現した国家があるが、それは北朝鮮であると言う 。北朝鮮の「チュチェ思想」こそヒューマニズムそのものである、と。ここには、素朴に「ヒューマニズム」や「デモクラシー」を主張していれば、それで戦争やテロリズムを排除、追放できるという戦後憲法や戦後思想のパラドクスがある。


昨年の「安保法案批判」の時にも、「戦争法案」だという批判だった。戦後の「反戦平和主義」の再現である。私は、「集団的自衛権」や「憲法改正」に単純素朴に賛成というわけではないが、また逆に反対というわけでもない。



むしろ、戦後憲法や戦後思想のような、安易な「反戦平和主義」が、戦争やテロリズムを生み出すのである。戦争やテロリズムは、それらを批判し否定すれば、それで、この世から戦争やテロリズムがなくなるわけではない。「絶対悪」の象徴のようなものとみなされるようになっているナチズムやファシズム全体主義は、果たして「絶対悪」だったのか?


佐藤優は、現代の思想家には珍しく、「ファシズム全体主義テロリズム」に対して、冷静な分析を行っている。そこには、「近代主義批判」としての「反近代主義」と「アンチ・ヒューマニズム」の思想があったのではないか、というわけである。



私も、佐藤優の主張に賛同する。佐藤優のアンチ・ヒューマニズムの主張の背景にはキリスト教の「神学」がある。カール・バルトやフロマートカ等の「神学」がある。カール・バルトやフロマートカ等の「神学」は、アンチ・ヒューマニズムの立場である。


佐藤優は、革マル中核派等の「内ゲバ」や、連合赤軍などの過激派のテロリズムを、真面目に論じている。佐藤優のことばで言うと、内ゲバテロリズム、銃撃戦などを、「内在的論理」をつかみ、その上で批判したり擁護したりしている。近代主義的、人間中心主義的なものヒューマニズムの観点から、単純素朴に批判・否定はしていない。私が、佐藤優に注目して、佐藤優の本を読む理由は、そこにある。


(続く)


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