文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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NHK新会長と百田尚樹と曽野綾子の接点ー「『論争』から逃げるような卑怯な奴は、さっさと引退しろ!!!ー曽野綾子大批判(4)」

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資料分析や新資料の発見、そして現地調査・・・を売り物に、大江健三郎に論争を仕掛け、挙げ句の果ては裁判闘争まで引き起こして、保守論壇ネット右翼まで巻き込んで、自信満々、先頭に立って、大騒ぎしたのが曽野綾子だったはずだが、その自慢の「資料分析や新資料の発見、そして現地調査・・・」の欠陥と誤謬を、ことごとく指摘され、完膚無きまでに論破されると、反論=反撃するどころか、ひたすら沈黙を守り、嵐が過ぎ去るのを待つかのように、「論争」から逃げ続ける・・・というのが、現在の曽野綾子である。


同じことが、NHK新会長の「慰安婦問題発言」にも、それを擁護する大衆通俗作家・百田尚樹の発言にも、言える。最初は威勢がいいが、マスコミなどから反論や異論があると、反撃どころか、ひたすら逃げまくり、「謝罪=発言取り消し」となる。そして辞任や更迭。情けない。その発言の前後に、何があったにせよ、いかにも、最近の保守論壇の堕落と劣化を象徴するような展開である。


そもそも、保守論壇で「常識==定説」として流通している「慰安婦論争」にしろ「沖縄集団自決論争」にしろ、「論争」に耐えられるようなシロモノではない。だから、反論=反撃すべき、まさにその瞬間に、沈黙=逃亡するのだ。


百田尚樹という作家が、安倍政権のスポークスマンかブレーンのような役割を演じているらしいが、そもそも、百田宗樹という作家そのものを、「文芸評論家」を自称している僕でさえ、よく知らない。そういう怪しい通俗小説作家を、本が売れているからといって、あたかも現代日本を代表する一流文化人のごとく敬い、NHK経営委員にまで推挙して行く安倍政権の知的堕落と思想的劣化こそ問題である。つまり、ここにこそ、僕が『保守論壇亡国論』で指摘した保守論壇の思想的堕落と劣化が、あるのだ。


遅ればせながら、百田尚樹の『永遠の0』を読んだ。もともと、この手の通俗的なベストセラー小説には、まったく興味がない。売れていることは知っていたが、それだけの知識しかなかった。読む気になったのは、朝日カルチャーセンターで、僕が開講している「小説教室」の参考資料になるかもしれないと思ったからだ。「何故、売れるのか」「売れる小説の書き方」がわかるかもしれない、と。


一読、この小説は、曽野綾子の『ある神話の背景』の「小説版だな」と思った。「大東亜戦争」の歴史が描かれているのだが、あくまでも軍人側の視点から、主に「神風特攻隊」の飛行兵の「生と死」が描かれている。なるほど、最近の保守論壇ネット右翼の思想的レベルに相応しい「わかりやすい」「単純素朴」な小説である。こういう単純素朴なメロドラマ小説が、ベストセラー小説になるところに、最近の文壇や文芸ジャーナリズムの批評的堕落を読み取ることができる。要するに、大衆通俗小説とはいえ、それに対する「批評」か不在なのだ。


さて、『永遠の0』は映画化され、そちらも好評らしい。僕は見ていないが、映画化した監督が、『三丁目の夕陽』の山崎貴だとなれば、なるほどと思わないわけにはいかない。『三丁目の夕陽』は、安倍晋三が、『美しい日本へ』(文春新書)で絶賛した映画である。『永遠の0』も、安倍晋三が感動し、絶賛する『三丁目の夕陽』レベルの自画自賛映画になっているのだろう。


要するに、日本の小説も映画も、韓国レベルや中国レベルというより、それらを飛び越えて、北朝鮮レベルの自画自賛小説や自画自賛映画が全盛の時代を迎えつつあるということだろう。換言すれば、体制翼賛小説と体制翼賛映画の時代・・・。


もちろん、僕は、大東亜戦争を擁護することにも、神風特攻隊を擁護することにも反対ではない。しかし、曽野綾子NHK新会長、あるいは小林よしのり百田尚樹等のような無知無学を絵に描いたような「大衆通俗作家レベル」「大衆通俗漫画レベル」「大衆通俗映画レベル」で擁護することには反対である。
(続く)





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