文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

竹中平蔵チームは、全員、金太郎飴? 全員一致の言説ファシズム軍団か?


岸博幸氏は、竹中平蔵氏が「郵政民営化」担当大臣の頃、大臣秘書官として竹中平蔵氏に仕え、「小泉・竹中構造改革」を実戦部隊として支えた元通産官僚であるが、その後、官界を去り、竹中平蔵氏の紹介と推薦かどうか知らないが、竹中平蔵氏が所長を勤める慶応大学のメディア研究科の教授に転職し、竹中平蔵氏の忠実な子分として、「ポリシーウォッチ」で活躍するエコノミストである。しかし、その論理や分析は、幼稚そのもので、以下に見るように、まるで竹中平蔵製作のアジビラを、そのまま模倣・反復したものに過ぎない。要するに、自分の頭で考えることを放棄して、ただひたすら同じ言葉と文体で、サルにもわかるような、幼稚な論理と思想を繰り返すことからも明らかなように、竹中平蔵チームの忠実な宣伝工作員とでも言うしかない。次の文章は、岸博幸氏の文章だが、竹中平蔵氏が書いたのではないのか、と疑わせるような文章である。その文章はまったく同じテーマで、さらに同じ論理展開で、しかもまったく同じ間違いを犯しているのである。

岸博幸
2009年01月16日
岸博幸のクリエイティブ国富論http://diamond.jp/series/kishi/10023/


かんぽの宿での
鳩山大臣暴走の放置


 官邸の機能不全を如実に物語っているのは、かんぽの宿の売却を巡る鳩山総務大臣の暴走です。これも報道で多くの方がご存知と思いますが、民営化された日本郵政が、日本全国のかんぽの宿70施設を一括してオリックス不動産に売却しようとしたところ、鳩山総務大臣が待ったをかけました。

 その理由は滅茶苦茶です。規制改革会議の議長を務めて郵政民営化の検討に関わったとか、一括で売却するのはおかしいとか、全く理由になっていません。そもそも2度の競争入札を経て落札しているのです。かつ、規制改革会議で郵政民営化が検討されたことなどありません。


年間50億円の赤字を垂れ流している施設を出来る限り早期に売却するのは、事業再生(=日本郵政という元官業組織の民間企業としての自立)のためには不可欠です。更に言えば、一括して売却するからこそプレミアムが乗った高値で売却できるのであり、個別に売却したら、条件不利地の物件は買い叩かれるか売れ残るだけです。

 そう、鳩山総務大臣はおそらく政治的な意図からかんぽの宿の売却に反対しているのであり、会見で述べている理由は屁理屈に過ぎないのです。そして、その意図は郵政民営化を逆行させることに他ならないでしょう。当然、民意は「いよいよ政権が改革路線を修正し出した」と見て、一層麻生政権から離れることになるでしょう。

 ただ、大臣がこう言い出した以上、総務省の事務方が大臣を翻意させて元の鞘に戻すことは通常出来ません。これも霞が関の常識として、こういう場合は、各省の大臣よりも上の立場に位置する官房長官か総理秘書官が大臣に直言するしかないのです。

 しかし、これまでのところ官邸側がそのように動いている節はありません。その原因として考えられるのは、官邸は郵政民営化を逆行させるのを許容しているか、リスクマネジメントもまともに出来ないほど機能不全に陥っているか、のどちらかなのです。そして、麻生総理が元々郵政民営化に反対だったことを考えると前者の可能性も否定できませんが、小泉改革をそこまで否定するほど度胸はないでしょうから、おそらく後者がその実態なのでしょう。

「規制改革会議の議長をむ務めて郵政民営化の検討に関わったとか…」「一括で売却するのはおかしいとか…」「そもそも2度の競争入札を経て落札している」「規制改革会議で郵政民営化が検討されたことなどありません」「年間50億円の赤字を垂れ流している施設」…。「鳩山総務大臣はおそらく政治的な意図からかんぽの宿の売却に反対している」…。そして、こう結論付ける、「当然、民意は『いよいよ政権が改革路線を修正し出した』と見て、一層麻生政権から離れることになるでしょう」と。岸博幸氏等は、大学教授とは名ばかりで、誰かが「想定問答集」を作成し、それを丸暗記し、忠実に反復しているだけである。たとえば、得意げに「そもそも2度の競争入札を経て落札している」というが、「競争入札」そのものが、いわゆる「一般競争入札」ではなかったことが、つまり最初からオリツクスが落札するように仕組まれていたことが、西川・日本郵政社長の証言から明らかになっている。また、「年間50億円の赤字を垂れ流している」という話も、作為的な減損会計による赤字の拡大…という関係者の証言を待つまでもなく、かなり怪しいことがすでに判明している。次々と調査や証言によって竹中平蔵氏や岸博幸氏らの説明が否定され破綻するや、今度は、岸氏は、ひそかにネットやブログを使って情報宣伝工作を行っているにもかかわらず、ネットやブログにおける自分たちの立場が弱くなると、「ネットはゴミの山」と言い出す始末である。

岸博幸
2009年01月16日
岸博幸のクリエイティブ国富論http://diamond.jp/series/kishi/10027/?page=2


かんぽの宿」騒動で分かった!
賛否両論なき日本のネットはゴミの山
〜今こそトーマス・ジェファーソンの名言に学べ〜


・・・・・・・・(前略)・・・・・・・・・・

 言い方を変えると、ネットの黎明期に“ネット上ではすべての個人が自らの意見を発信できるようになるから、ネットの普及とともに民主主義が強化されるであろう”と言われていましたが、ネットが十分に普及した今、それは正しい洞察だったと評価できるでしょうか。

 私は個人的に、“かんぽの宿”騒ぎを通じてその答えが明確になったと思っています。日本のネットはゴミの山であり、ジャーナリズムの担い手になり得ないことはもちろん、民主主義の強化に何の貢献もしていないと確信しています。


かんぽの宿”騒ぎの
本当のインプリケーション


かんぽの宿”はいよいよ大騒ぎになっています。もちろん、真実はまだ明らかにされていません。ただ、今回の騒ぎは別の点で教訓を提示していることに留意すべきです。

 皆さんもグーグルやヤフーで“かんぽの宿”を検索してみてください。検索結果の最初の数ページを開いてみると、驚くまでに同じような内容、具体的にはオリックス政商論、小泉—竹中—宮内陰謀論日本郵政不正論のオンパレードです。それも、評論家と称する一部の人たちの意見の引用と礼賛ばかりが目につきます。もちろん、丹念に探せばそれと反対の意見もネット上に出ているのでしょう。しかし、検索の上位に来なければ埋もれるだけです。

 民主主義が貫徹されるためには、どんな事象についても賛否両論が健全に展開されるべきです。そのためには、トーマス・ジェファーソンの言葉からも明らかなようにジャーナリズムが重要な役割を果たすのです。ところが、“かんぽの宿”から明らかになったのは、日本のネット上は同じような一面的な評論とその安直な引用ばかり、情報のゴミ溜めとなっており、今のままではマスメディアに代わってジャーナリズムを支え、民主主義を強化する器にはなり得ないということです。スキャンダルやゴシップの集積場でしかないのです。

 それに比べると米国では、ネット上で様々な問題について検索すると、大抵の場合は検索上位で賛否両論が見つかりますので、ネット上でも民主主義とジャーナリズムがある程度根付いていると言えるのでしょう。もちろん、ネットは基本的にゴミ溜めになっているという点では日本と同じですが。
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「米国では…」「それに比べて日本では…」…。こういう素朴な日本後進国論が、今でも通用すると思っている精神構造に問題があると言わなければならない。岸氏は、「かんぽの宿」問題では、ネットの検索の上位は、「かんぽの宿疑惑」を追求する評論家の記事を模倣・反復したような書き込みばかりで、「賛否両論」がないと批判しているが、それがまったくの嘘であることは、それを検索してみれば分かることだ。岸氏らの「かんぽの宿」のオリツクスへの一括譲渡は正しい取引だという擁護論が少ないだけである。自分たちの主張が通らなくなると、すぐに「日本に民主主義が定着していないからだ…」というような、素朴な日本後進国論へ逃げるところに、竹中氏や岸氏等の思想的レベルの低さ、幼児的な精神構造を感得するのは僕だけではあるまい。日本に民主主義が定着していないから、岸氏や竹中氏が主張するような、「かんぽの宿」のオリツクスへの一括譲渡は正しい取引だという擁護論が少ないわけではない。そもそも元をたどれば、「小泉・竹中改革」とも呼ばれる「構造改革論」や「郵政民営化論」なるものの思想的背景に、「日本は遅れている…」「米国を見習って改革すべきだ…」という米国崇拝論があったわけだが、おそらく、それが、今でも竹中平蔵チームの基本的な思想構造であり精神構造だろう。これは、留学帰り頭の悪い女子学生の精神構造と、ほとんど変わらない。彼等は、明治時代の「洋行帰りの保守主義者」(森鴎外)たちの存在も知らないらしい。現在の平和や豊かさを保持し続けるためにも、何らかの「改革」は必要だろうが、その「改革」にも、常に思想的裏づけが必要だろう。「アメリカでは、アメリカでは…」と馬鹿の一つ覚えのように騒ぎ立てる「留学帰り頭の悪い女子学生たち…」に、つまりそれが竹中平蔵氏や岸博幸氏等の事だが、日本的システムを破壊するような「構造改革」なるものを丸投げしてはならなかったのである。そいう局面では、思想音痴のエコノミストではなく、思想家や政治家が前面に出るべきであるが、しかしながら、昨今の思想家や政治家も、「留学帰り頭の悪い女子学生たち…」のレベルに、思想的に堕ちているから始末が悪い。




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