文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「曽野綾子誤字・誤読事件」のてんまつ、「サピオ」対談続編で「罪の巨塊(巨魁)」誤字・誤読事件から逃げる!!!


自分は「作家だ、作家だ……」と喚き散らす割には、作家にとって生命線とも言うべき言葉や文体や想像力にまったく無関心で、「誤字・誤読・誤植」に関して鈍感そのものの三流の通俗作家であるらしいことが実証的に、小生の「現地取材」で……(笑)、証明された曽野綾子が、「無名のネット・イナゴ」という言葉が自慢の池田信夫を相手にした誤字・誤植・誤読満載の「サピオ」対談の続編で、性懲りも無く、「サピオ」最新号に再登場しているらしいと聞いたので、「罪のキョカイ」発言をめぐる「誤字・誤読」事件について、何か苦し紛れの言い訳でもしているのかな、と思いつつ探していたら、たまたま通りがかった駅の売店で「サピオ」最新号なるものを見つけたので、早速、無駄な消費とは自覚しつつも、実証主義的な「現地取材主義」を標榜する小生としては(笑)、先ずは現物を買い求めた上で熟読玩味し、その実証主義的なテキストの熟読玩味を前提に、発言しなければならないというわけで、仕方がなく買ってしまったわけなのだ。というわけで、「サピオ」最新号のテキストを熟読玩味してみたわけだが、期待にたがわず、なかなかどうして、依然として曽野綾子の鈍感な知性と感性には衰えが見えず、またまた、爆笑問題も爆笑しそうな、堂々たる居直り発言というか、苦し紛れの無視・黙殺発言というか、期待していた読者の期待通りに、「罪のキョカイ」問題は、それこそが裁判の争点であり、重大問題だと喚き散らしてきたにもかかわらず、「罪のキョカイ」の誤字・誤読なんて裁判にも作家家業にも関係ないわよ、とばかりに、見事に「スルー」しているではないか。これは、言うなれば、「罪のキョカイ」の誤字・誤読事件に顔面蒼白となり、コレはマズイ……と大慌てで軌道修正と隠蔽工作を試みようとしたが、どうにもこうにも、ナスすべが無く、結局、無視・黙殺しかないという、いわゆる意識的黙殺法、あるいは方法論的消去法という奴であるな。恥も外聞もなく、堂々と、自信たっぷりに、大江健三郎の『沖縄ノート』の中の「罪の巨塊」を、「罪の巨魁」と表記・誤記した上で引用し、その誤記・誤読を前提に大法螺を吹きまくった「サピオ」前号の対談だったわけだが、最新号では、編集部の「注」らしい欄外の小さな書き込みの中で、こっそり、いや、本当に「こっそり」と、誰にも気付かれないように誤字修正し、ドサクサ紛れに「誤字・誤読」事件などはじめからなかったことにして、乗り切ってしまおうかな、という緻密な計算と戦略がミエミエだが、つまり頭隠して尻隠さずというわけではあるが、ひとまず、「罪の巨魁」を、わざわざ、「罪の巨塊」へと、誤字を正確に訂正していて、なかなか敏感な編集ブリであり、丁寧な校正ブリである。しかし、それにしても不可解なのは、曽野綾子が、大阪地裁での大江健三郎証言以後での対談であるにもかかわらず、わずかに、「赤松」を実名で表記せず、「守備隊長」という肩書きだけで匿名のままで通したという大江健三郎証言に対して、「実名だろうと匿名だろうと、当時の渡嘉敷島の守備隊長は赤松しかいないのだから、名誉毀損には変わりはない」と批判しているところだけで、大江健三郎が皮肉を込めて、「罪の巨塊」という表現をめぐる、作家にとって致命的な誤読とも言うべき「曽野綾子沖縄ノート』誤読事件」を指摘した部分などには一切、言及せず、裁判に勝利するには今こそ反論し追撃すべきタイミングであるにもかかわらず、誰が見ても明々白々の「誤字・誤読」の指摘にショックを受け意気消沈したのかどうか知らないが、法廷に立った大江健三郎や梅澤某等の他の重要発言を、すべて「スルー」(逃げている?)していることだろう。というわけで、期待通りに、曽野綾子の「サピオ」対談は、振り上げたコブシの始末もつけないままに、居酒屋あたりで酔っ払った保守オヤジが愚痴るような、当たり障りのない安っぽい人生論と世間話に終始しているが、「罪の巨塊」を「罪の巨魁」と勘違いし、その勘違いの上で大江健三郎を批判するという大風呂敷を広げた挙句、逆に大江健三郎に突きつけられたその誤字・誤読事件に、一言の言い訳もできずに、お茶飲み話でお茶を濁すなんて、作家としてまことに、「哀れ」としか言いようがない。たとえば、曽野綾子は、「サピオ」対談続編で、こんな暢気なことを言っている、≪小説家は悪を書く必要がありますから、悪い言葉も要るんです。言葉をタヴー化したらマスコミは自滅します≫≪私は゛疑いの精神゛をいつも大事にしています。≫と。釈迦に説法である。サルにもわかるような幼稚な文学論である。そんなことより、作家なら、「誤字・誤読」こそが、作家生命を失うかもしれないような大事件だろう。「曽野綾子沖縄ノート』誤字・誤読事件」に一言の反論もなく、黙殺法で「逃げる」なんて……。曽野綾子は、こんなことも言っている、≪再検証することが怖いんじゃないでしょうか。私は新しいデータが出てくればいつでも歓迎しますけれども。≫と。だから、今、ここに、「曽野綾子沖縄ノート』誤字・誤読事件」という新しいデータが出てきているわけだろう。しかも相手は大江健三郎だよ。ここで、逃げて、どーすんだよ。池田信夫君よ、こういうのを、最新のゲーム理論では、「逃げるが勝ち」理論と言うんだよねー(笑)。ところで、僕が指摘したからかどうか知らないが、「サピオ」の記事では、編集部が敏感に「誤字修正」で意思統一したらしく、一斉に「罪の巨魁」という間違った表記が消え、ほとんどが「罪の巨塊」に変更になっているが、「will」渡部昇一論文の「罪の巨魁」表記の間違いも指摘しておいたわけだが、その結果、「will」でも、ほぼ「罪の巨魁」という間違った表記が消え、ほとんどが「罪の巨塊」に変更になっているが、にもかかわらず、なんと、肝心の曽野綾子の論文(弁護士への手紙?)の中に、しかも文中の「リード」部分にかなり大きな活字で、いまだに「罪の巨魁」という間違った文字表記が残っているのには、さすがの僕も驚倒した。曽野綾子は、ゲラ校正もしていないのか、それとも、精神分析学的病理の結果として、依然として、「罪の巨魁」にこだわり、「罪の巨魁」という表記から自由になれていないということだろうか。さて、肝心な「罪の巨塊」問題については、「サピオ」の対談でも「will」の「強制された死か、個人の尊厳か」というテキストでも、曽野綾子は沈黙を守ったままだが、それに代わってピンチヒッターとしてと言うべきか、止せばいいのに、アホな野次馬が横からしゃしゃり出てきたと言うべきか、井沢元彦とかいう、マトモな歴史家からは誰からも相手にされないトンデモな歴史オタの自称「作家」センセが、法廷における大江健三郎の「罪の巨塊」発言に、ドンキホーテも顔負けの頓珍漢な大論争を挑んでいるようだが、これがまた、読解力も想像力も思考力もないくせに、「同じ作家として……看過するわけにはいかない……」問題だとかなんとか、大江健三郎ならずとも、「同じ作家として……」と言われて、「あっ、そう……」とでも失笑しるしかなさそうな単純素朴な動機から論争に参加したらしく、勉強不足で舌足らずな上に、ただ滅茶苦茶にドシロート的な罵詈雑言を並べただけのシロモノで、池田信夫同様に、その中身たるや、あまりにも幼稚で、且つ支離滅裂で妄想満杯な上に、小生としても、こういう馬鹿を相手にしたら、小生の「男子の本懐」(笑)に傷がつきそうなので、ここでは無視することにする。それにしても、曽野綾子やその一派の保守系応援団には、こんな馬鹿しかいないのか。



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資料1(過去エントリー)
大江健三郎を擁護する。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071110/p1
■誰も読んでいない『沖縄ノート』。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071111/p1
■梅沢は、朝鮮人慰安婦と…。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071113/p2
大江健三郎は集団自決をどう記述したか? http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071113/p1
曽野綾子の誤読から始まった。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071118
曽野綾子と宮城晴美 http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071124
曽野綾子の「誤字」「誤読」の歴史を検証する。http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071127
■「無名のネット・イナゴ=池田信夫君」の「恥の上塗り」発言http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20071129


資料2
大江健三郎岩波書店沖縄裁判の争点http://www.sakai.zaq.ne.jp/okinawasen/souten.html
■大江・岩波沖縄戦裁判の支援の会・ブログhttp://okinawasen.blogspot.com/
■大江・岩波沖縄戦裁判支援会 http://www.sakai.zaq.ne.jp/okinawasen/news.html
曽野綾子の第34回司法制度改革審議会議発言議事録 http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai34/34gijiroku.html
■沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会http://blog.zaq.ne.jp/osjes/article/35/
大江健三郎沖縄ノート』裁判告訴状 http://www.kawachi.zaq.ne.jp/minaki/page018.html