文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

櫻井よしこと東條英機。櫻井よしこは、昭和天皇の「東條英機批判」の真意がまったく分かっていない。つまり、櫻井よしこは、昭和天皇が東條英機を批判するはずがないと、勝手に勘違いしている。実は、様々な資料から、昭和天皇が、戦後、東條英機を批判したことは、ほぼ確実である。少なくとも昭和天皇が「東條英機批判」をしていた可能性は高い。ところが、櫻井よしこや中西輝政等は、東京裁判における発言などから推察したらしく、昭和天皇と東條英機の信頼関係を根拠に、昭和天皇が、「東條英機批判」や「A級戦犯合祀批判」をしたはずはないと、

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櫻井よしことマッカーサーと昭和天皇。

・ 櫻井よしこは、『異形の大国 中国』で、昭和天皇とマッカーサーとの最初の会見におけるマッカーサー回顧録や重光葵回顧録が記す「昭和天皇の言葉」を、そのまま鵜呑みにし、全面的に信用しているようだ。 マッカーサー回顧録や証言が、かなり脚色に満ちた…

テレビ右翼=櫻井よしこの「昭和天皇批判」の喜劇。櫻井よしこが、『異形の大国 中国』で東條英機を擁護し、昭和天皇の「靖國参拝拒否」を批判している。日頃の右翼=保守派気取りの過激発言から見ると、自己矛盾も甚だしいものだが、櫻井よしこの軽薄幼稚な頭の中では矛盾も齟齬もしないらしい。テレビ右翼=櫻井よしこのデタラメの一例である。こういう「テレビ右翼=櫻井よしこ」に熱狂する右翼老人たちや右翼青年たちの頭の程度も、その程度だということだ。

・ 櫻井よしこは、「A級戦犯が合祀されその上松岡、白取までもが」「だから私はあれ以来参拝していないそれが私の心だ」という昭和天皇の「お言葉」を記録した、いわゆる「富田メモ」を、偽書扱いしている。「富田メモ」とは、元宮内庁長官の富田朝彦が、昭…

テレビ右翼=タレント右翼(櫻井よしこ)の時代の政治学。櫻井よしこの右翼的な過激発言を詳細に追跡してみると、「エイズ事件報道」がそうだったように、自分の頭で考えたものではなく、多くが「受け売り」と「パクリ」であることが、分かる。

・ 櫻井よしこの言動に、ミーハーのように熱狂する定年退職右翼老人たちや「国士」気取りの若者たちも、あるいは「ニッキョウソ!」と野次を飛ばす安倍首相もまた、「反日」や「在日」「帰れ」・・・などという右翼用語やヘイトスピーチ的な語彙を連発して、…

戦争漫画『のらくろ』とその時代ー田河水泡と小林秀雄ー田端文士村放浪記。

小林秀雄に「漫画」というエッセイがある。『考えるヒント』に収録されているから、読んだ人も多いに違いない。普段の小林秀雄からは想像も出来ないような文章だが、そこで小林秀雄は、『のらくろ』という戦前に描かれた漫画について書いている。 小林秀雄が…

マンガ右翼からテレビ右翼へ。マンガ右翼=小林よしのりの時代が終わったと思っていたら、今度はテレビ右翼=櫻井よしこの時代が・・・(笑)。

・ テレビの影響力が落ちたと言われているが、まだまだその影響力は侮りがたい。テレ=ポリティクスという言葉もあるように、政治におけるテレビの影響力は決して小さくない。現代日本人は本は読まないが、テレビは見ている。多くの日本人が、テレビ画面を通…

櫻井よしこの憲法改正論の謎。櫻井よしこは憲法改正論に熱心だが、そもそも、「憲法」というものが何であるか、を理解していないと思われる。憲法とは何か、立憲主義とは何か、が分かっていない。櫻井よしこは、憲法を、まるで道徳の教科書か何かのように考えているようだ。たとえば、櫻井よしこは、さかんに、「日本国憲法」には、「国民の権利」ばかり書いてあり、「国民の義務」が書かれていないと言う。この考え方が、「憲法」と無縁な議論だということが、櫻井よしこには分からないらしい。憲法とは何か。近代憲法、立憲主義とは?憲法と「国民

百田尚樹と櫻井よしこ。安倍首相が気の毒なことは、その取り巻きの文化人=知識人のレベルの思想的低さであろう。さしずめ百田尚樹と櫻井よしこが、その代表例であろう。百田尚樹に至っては、数々の舌禍事件を起こしただけではなく、「小説『殉愛』スキャンダル」で裁判にまで巻き込まれ、早くもマスコミの表舞台から消えかかっている。私は、百田尚樹にも櫻井よしこにも、また多くの「安倍首相のお友だち」にも興味はないが、しかし安倍政権の「憲法改正論議」や「集団的自衛権論議」を考える上では、彼等の言動は、大いに参考になると思う。安倍首

(続く) ・

江藤淳の『一九四六年憲法ーその拘束』を、昨日、「朝日カルチャーセンター(小説教室)」の帰りに、立川のオリオン書房で買った。驚いたのは解説を、白井聰が書いていることだった。文春文庫の編集方針に、違和感を感じる。

・ 白井聰が、江藤淳とは「政治思想的位置」が、対極にあることは明らかだろう。白井聰は典型的な左翼の政治学者である。何故だろう。もちろん、解説の内容は好意的だが、そもそも白井聰が、「江藤淳」という保守思想家を尊敬、畏怖しているとは思えない。 …

改竄された憲法改正論。「江藤淳」的憲法改正論から「櫻井よしこ」的憲法改正論へ。言い換えれば、「反米独立派」の憲法改正論から「親米従属派」の憲法改正論へ。

・ 安倍首相の応援団で、「国家基本問題研究所」なるインチキ団体をデッチ上げ、憲法改正論議の主役のような顔をしている櫻井よしこは、日本国憲法には「国民の権利ばかり書いてあって、国民の義務が書いてない」「権利には義務がともなうものだ」などと、い…

「琉球王国論」と「琉球独立論」。安倍政権は、翁長雄志=沖縄県知事が語る「琉球王国論」と「琉球独立論」に、どう対応するつもりなのか?アメリカ訪問を前にした安倍首相と、米軍基地の辺野古移設を強硬に反対する翁長雄志=沖縄県知事は、ようやく会談したようだが、対話や会見で解決するわけではないが、少なくとも、安倍政権の辺野古移設の戦略の実態は明らかになっていくだろう。安倍政権の戦略の実態とは何か?「戦後レジームからの脱却」のキャッチフレーズとは裏腹に、「米軍基地の固定化=永遠化」という実態が、明らかになっていくだろう

保守論壇の中国論は、ほぼ全部、間違っていた。世界第二の経済大国、第二のワールドパワー。だれが予想しただろう。相も変わらず、中国崩壊論? 中国蔑視論?ところが最近、急激に台頭してきたのが中国脅威論? いずれにしろ、大量に出版された保守論壇の中国論は、中国の現実に対応した冷静な分析ではなく、そうあってほしいという願望の文章化にすぎなかったことが、今になると、分かるはずだ。中国恐怖症の裏返しである。安倍政権や保守論壇の「沖縄問題」、つまり「米軍基地問題」の理解の仕方も、中国脅威論、中国恐怖症の延長である。安倍

安倍晋三的な「泥縄政治」が国を滅ぼす。安倍首相が、今日(4/17)、翁長雄志沖縄県知事と、急遽、会談することになったらしい。翁長雄志沖縄県知事が、中国を訪問し、李克強(首相)と「琉球王国」の歴史や「琉球独立」の話をしたからだろう。安倍首相は顔面蒼白、慌てて、翁長雄志沖縄県知事と会談ということになったのだろう。今までの強気の姿勢はどうなったのか?まさに「泥縄政治」である。安倍政権は、安倍首相だけではなく、その周辺も、「沖縄問題」や「米軍基地問題」を甘く見ている。「沖縄米軍基地」の延長と固定化を許した天皇も吉

・ ★中国・福建省との経済交流促進を=定期便開設も提案−翁長沖縄知事【北京時事】 日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)の訪中団に参加した沖縄県の翁長雄志知事は14日、李克強首相との会談の席上、歴史的につながりの深い福建省との経済交…

江藤淳は、吉田政治の何を批判したのか?何を批判しなかったのか?江藤淳は、高坂正堯や永井陽之助等のように、「吉田ドクトリン」などという言葉まで捏造して、吉田政治の偶像化、神話化、絶対化・・・を行った政治学者たちの思考、態度を、厳しく批判している。江藤淳は、吉田茂の政治を全面的に否定しているわけではないが、吉田政治は、本質的に「養子政治」であり、常に何者かに依存し、その何者pかを隠そうとしていると批判している。何を隠しているのか?

・ 江藤淳に「無条件降伏論争」というものがある。文芸評論家の本多秋五を相手に繰り広げた論争である。日本の敗戦は「無条件降伏」だったのではなく、「外交権」などの国家主権は確保した上での「有条件降伏」だった、という主張である。つまり、「有条件降…

江藤淳の「吉田茂と養子政治」を読む。今、あらためて江藤淳の「吉田茂と養子政治」を読むと、江藤淳が、いわゆる親米保守派と一線を画していたことが分かる。江藤淳の自殺は、江藤淳が「反米保守派」に転じたことと無縁ではなかったと、一部で言われていたが、あながち荒唐無稽な話でもなかったのかもしれない。江藤淳は、高坂正堯と永井陽之助に代表される「吉田ドクトリン=擁護論」「吉田ドクトリン=神話化」を厳しく批判している。

小林リズムさんがNHKに。以前に、何回か紹介した、日芸出身のエッセイスト「小林リズム」さんが、4/16(木曜)、午後6:55~、NHKに出演するそうです。いよいよメジャーデビューですね。是非、見てください。

・ (小林リズムTwitterより。) ーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーー @rizuko21: お話をいただいて、4/16のNHK「Rの法則」にてVTR出演をさせていただきました。顎クイ記事の解説をしています。よければ見てくださいー! http://t.co/vjbNMmqFos…

何故、吉田茂は、「安保条約」に一人だけ署名したのだろうか?米国側がダレスなど四名が署名しているのに、日本側の署名が、吉田茂だけなのは、何故か?吉田茂だけが、「安保条約」を積極的に支持しなければならないという意思を持っていたからだろうか?

・ それでは、それは、何故か?おそらく、吉田茂だけが、何があっても「日米安保条約」という「日米軍事同盟」を結ばなければならないという昭和天皇の意思を知っていたからである。昭和天皇は、日本国憲法9条によって生じる「軍事空白」と、それがもたらす…

昭和天皇とダレスと吉田茂。戦後の「日米安保条約」は、どのよう政治政策過程を経て決定したのか? 昭和天皇と吉田茂は必ずしも同じではなかった。米軍基地の無条件延長を主張していたのは、米国側のダレスであり、日本側でそれを主張していたのは、吉田茂ではなく、昭和天皇であった。吉田茂が、サンフランシスコ行きを逡巡していたのは、「安保条約調印式」に出たくなかったからだ。しかし、その吉田茂の態度が一変する。昭和天皇との「謁見」である。昭和天皇は、吉田茂を呼びつけ、厳しく説教したとおもわれる。「米軍基地無条件延長」と「沖縄

昭和天皇は「独立」より「日米安保」を選択した。言い換えれば、「日米安保条約」が、戦後の日本の「国体」となったのである。昭和天皇が選択した「旧安保条約」には、「米軍駐留延長」と「沖縄切り捨て」が含まれていた。それが、吉田茂を逡巡させたものだったが、しかし、それを超憲法的立場に立ちながら、敢えて昭和天皇が選択した政治的リアリズムだった。現在まで続く沖縄問題は、ここから始まっている。それ故に、昭和天皇の「沖縄への思い」は、複雑で痛切なのである。現天皇は、すでに10回も沖縄を訪問しているというが、そこには昭和天皇

・ <旧安保条約全文> 日本国は、本日連合国との平和条約に署名した。日本国は、武装を解除されているので、平和条約の効力発生の時において固有の自衛権を行使する有効な手段をもたない。 無責任な軍国主義がまだ世界から駆逐されていないので、前記の状態…

昭和天皇と吉田茂。サンフランシスコ講和条約と昭和天皇。あるいは、昭和の琉球処分を確定した「安保条約の成立ー吉田外交と天皇外交」について。さて、天皇のパラオ慰霊の旅が始まったようだが、もちろん、天皇の思いは、安倍首相や最近の保守論壇のエセ思想家たちとは違って、複雑なものであろう。「天皇陛下万歳」と叫びつつ、天皇の名において死んでいった人たちへの慰霊の旅である。そこには深い悔恨と謝罪の思いが、大きな比重を占めているはずだ。言うならば、沖縄訪問とおなじ意味を持つだろう。

・ 日本が、「主権を回復した日」とも言われるサンフランシスコ講和条約の締結を前に、全権大使=吉田茂は、サンフランシスコ行きを決めかねていた。というより、行きたくなくて、逃げ回っていた。それを強力に説得したのが昭和天皇であった。要するに、吉田…

天皇発言と八木秀次。最近、天皇陛下と皇后陛下が、ともに、安倍政権の改憲路線に逆らうかのように、しきりに「護憲発言」を行っている。これは、天皇とその周辺が、現在の政治状況に、強い危機感を抱いているということだろう。それを批判する八木秀次とは何者か?

・昨年、皇后陛下が、「五日市憲法」について肯定的発言を行ったので、驚いた。明らかに政治的発言であり、護憲的発言である。かなり踏み込んだ発言と思われる。ということは、皇后陛下も、相当の危機感を持っているのだろうと思われる。つまり、天皇や天皇…

安倍政権と天皇の対立。安倍政権は、いつまで、天皇の「お言葉」を無視、批判、冷笑しつづけるのか?安倍政権が、天皇の意思など無視して、強引に諸政策を推し進めるのなら、その覚悟を示すべきだろう。

・ ようやく菅義偉=官房長官が、翁長雄志=沖縄県知事と会見したようだが、予想通り、何の進展もない不毛な会見だったようだ。菅義偉=官房長官サイドとしては、「会ってやった」という既成事実を作り、移設工事を「粛々」と進めていくつもりだろう。 しかし、…

昭和天皇と田中清玄。「週刊朝日」最新号(4/10)によると昭和天皇は、田中清玄という戦後右翼の大物を通じて、国際情勢の情報収集を試みていたようである。これは、昭和天皇が、時の政府や政権の「情報」や「政策」を、全面的には信用していなかったということだろう。

・今、天皇と安倍政権は、明らかに対立している。憲法問題や沖縄問題において、安倍政権の取り巻き文化人の一人、八木秀次等の「天皇批判」が、示しているように、天皇は、安倍政権とは別の方向を目指していると思われる。つまり、安倍政権と天皇は、憲法問…

天皇と沖縄と安倍政権。あくまでも「平和」を志向する天皇に対して、安倍首相やその周辺は、「集団的自衛権の行使」や「秘密保護法」に見られるように、「平和」より「戦争」を志向しているように見える。

・ たとえば、安倍首相の取り巻きの一人と思われる八木秀次(麗澤大教授)は、天皇の、年一回の「記者会見」での「平和発言」や「憲法発言」などに対して、言葉を慎むべきだ、安倍政権の憲法改正に逆らっているのか、というような苦言を呈したそうである。「Y…

菅義偉官房長官よ、「天皇の沖縄メッセージ」を忘れたか?それとも最初から知らないのか?現代の「琉球処分」としての「天皇メッセージ」。

・ よく知られていることだが、昭和天皇は、1947年9月、沖縄と琉球列島の50年以上にわたる「米国支配=米軍占領」を依頼するメッセージを、寺崎英成(天皇御用掛)やシーボルト(占領軍政治顧問)を通じて、ワシントンのマッカーサー宛に送っている。これは、米国…

官邸の「古賀茂明バッシング」とネット・ウヨの「古賀茂明バッシング」の相関関係。

・私は、古賀茂明本人にも古賀茂明の政治思想にも関心はない。しかし、先日、テレビ画面で、古賀茂明が古館キャスターに向かって演じたバトル、つまり「報道ステーション事件」には、大いに関心がある。要するに、「古賀茂明の命懸けの闘い」は貴重である。 …

山本太郎と豊島区議立候補者「荒井ヒロシ」の政治活動報告会。4月2日(木)。豊島区民センター4F。19:00ー20:00 。

イベントの紹介です。誰でも参加出来ます。「山本太郎」が豊島区民センターに登場!山本太郎と豊島区議立候補者=荒井ヒロシの政治活動報告と決意表明。4月2日(木)。 豊島区民センター4F。 19:00ー20:00 ・ (続きは、『思想家・山崎行太郎のすべて』が分かる…

曽野綾子が「新潮45」最新号で、ネット炎上にまで発展した「アパルトヘイト発言」に対して、見苦しい「言い訳」を展開している。曽野は、ネットやSNSでの炎上事件を自分には無縁なものと無視しようとしているようだ。自分は作家だから、書籍や新聞、雑誌などの文章にこだわるということだろう。

・しかし、曽野が、いくら無視しようとも、「曽野批判」や「曽野炎上事件」はネットやSNSの世界に限られるわけではない。書籍や雑誌などによる「曽野綾子批判」も、繰り返し行われてきた。曽野は活字による「曽野批判」も無視してきたのだ。曽野よ、「曽野綾…